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荏油-エゴマ油オイル仕上げ。自然派で安心、素人でも簡単に塗れるDIYチャレンジ!

2016年10月17日

荏油(えごま油)でオイル仕上げ

天然木、無垢材のプチオイル仕上げ。ナチュラル素材で赤ちゃん・ペットにも安心な自然塗料は「えごま油」

素人DIYのやってみた記録です。木工の素人でも(おそらく)一番扱いやすいオイル仕上げ。

最近では有名な家具インテリアショップでも無垢オイル仕上げの家具を見かけることが多い気がします。ちょっとしたリペア、気分転換で見た目を変えるなど、気軽に使えるオイル仕上げ。

あるきっかけで、素人ながらにチャレンジする機会が。

無垢の木って、すごくいい。ほんとにいい。

仕事で扱ったある商品、天然木の無垢材でできた雑貨アイテム。

天然木を切って削っただけの、ほんとうにそのままの無垢仕上げ。手で触ると、まさに木の感触。ザラザラ~サラサラとした温かい触り心地。

色も木目もそのままの、生まれたての赤ちゃんみたいな木。

匂いもいい。

ほんのりと香るなんとも言えない自然の香り。そう、あのヒノキ風呂のいい香りを思い出す、なんか落ち着く匂い。

写真がなくて残念ですが、とっても素敵な、天然木で作られたプロダクト。

木材の無垢仕上げ(何も塗装をしないと言う意味の無垢)はよくない?

こうした木工品・家具も含めて、なにもしていない無垢の状態というのはとても少ないそうです。

世の中の多くの木工商品はこの無垢状態から、オイル・ウレタン・ペンキなどの塗料などを塗られてしまい、表面をおおわれてしまうケースがほとんど。

「え、でもこの机とか、木の模様、そのまんまだよ」

って思ってしまうが・・・。

身の回りの家具などで、木材の木目が見えているモノも多いハズ。あれ?これは無垢仕上げなのかな??なんて思ってしまうけど、実際には薄く透明なクリアー塗装・またはオイル処理がほどこされており、とても薄い塗装・被膜がかかっているそうだ。

イロイロな理由から木材が「何の処理もしないまま」では都合が悪い。

なので強制的に化粧をされてしまう。木のすっぴんの状態を見かけることは少ないハズ(笑)

個人的にはずっとこのままスリスリしていたい、ほんとうに気持ちいいサラサラ~ほっこりな触り心地!!なんですが・・・

木材は水分が苦手。無垢は手入れがタイヘン。

少し知識がある方であれば、無垢材は「とにかく手入れがタイヘン」なイメージ。それは無垢材特有のこんな理由から。

 

木はいつでも水分を吸収する。

空気中の湿気はもちろん、こぼしてしまったジュースなどの水分も即座に吸ってしまう。白くてきれいな無垢材のテーブルにコーヒーをこぼしたら、即アウト。って感じで以外に水をグングン吸ってしまう特性がある。

 

そうすると、木材が伸び縮みしてしまう。

水分を吸ったぶん膨張してしまう、スポンジと一緒ですね。

もともとは大地にどっしりと根を張って、数十メートル上の何万枚もの葉っぱまで水分を届ける「パイプ役」だった幹の部分。

高い木では80メートル!!まで水をひっぱりあげるそう。ビル20階建て以上か。。

その性質から、木材にとっては水分は大敵なんですね。。。

 

もらっちゃうと、つい飲んじゃう。そして膨らんじゃう。

そうすると結果として木材のあちこちに伸縮が発生します。しかも木は生き物なので各部分ごとに伸縮の程度も方向もバラバラになります。

そうすると家具などの複雑に組み合わされた木工作品はあちこちに隙間ができ、ひずみだらけになってしまいます。

また水分は木を劣化させます。長い目で見ると水分は木の強度を奪ったり、腐食させるスピードを増します。

水分から木材を守ってあげる

そうした苦手な水分から木材を守ってくれるのが、表面のバリアとなる様々な表面処理です。分かりやすい例で言えばペンキなどを塗ってあげること。

 

どの仕上げも木材の表面にうすく膜をつくり、水分からガードします。

そして木材がもともと持っている、ある程度の適正な水分を保ち、外に逃さないようにします。

伸びないように、縮まないように」水分量を固定してくれる役割を果たします。

逆に言うと、薄い塗装をしてあげるだけで木材の手入れが楽になり、メリットがいっぱいあるという事に。

木の自然な手触りをのこした、ナチュラルな感じのオイル仕上げをしたい

ウレタン系仕上げとオイル仕上げ

そこで今回、無垢材部分に何かしらの表面仕上げをしてあげることに。

適切な仕上げをしてあげることで上記のような水分の変化を防ぐことができます。結果としてより長く美しく木材の状態を保つことができるはずです。

塗料について大きく分けると、下記の二種類に分けることができます。

  • ウレタン塗装系
  • オイル系

 

今回は「オイル系」の仕上げを選択しました。

ざっくりな特徴としてはこんなかんじです。

木の表面にオイルが染み込み、木の表面自体がバリアになる感じ

ペンキのように被膜は作らない、手触りはそのまま

長時間の水には弱め

オイルの塗り足し、補修がかんたん

 

一般的な塗装のように塗料の層をつくらず、木の地肌を残した手触りが特徴です。手触りをそのままに、木材の苦手な部分を守ってあげる。少しだけ「イイトコどりした仕上げ」ができるのがオイル仕上げです。オイルフィニッシュと呼んだりもします。

手に触れても、口に入れても安全な塗料??

今回使ったの冒頭でも出ていた荏油(えあぶら)荏胡麻油(えごまあぶら)とも。

選んだ基準は、乾くのが早いこと。そしてできるだけ自然に、うっすらと仕上げたい。そしてもし子供やペットが触ったりしても、できるだけ安全な天然素材を使いたい。という3点。

市販の木工用オイルとしては検索すればすぐにでてくる有名なメーカーの商品がたくさんあります。

ですが、今回は昔ながらのシンプルなオイルを検討してみました。

 

荏胡麻油(えごま油)(荏油:えあぶら)

荏油(えごま油)でオイル仕上げ

エゴマ(荏胡麻、学名:Perilla frutescens var. frutescens)はシソ科一年草シソ(青紫蘇)とは同種の変種。東南アジア原産とされる。地方名にジュウネンがあり、食べると十年長生きできるという謂れから。古名、漢名は、(え)。

エゴマ - Wikipedia より引用

青じその仲間の植物からとったオイルだそうです。

 

なにかとスゴイ。エゴマ、荏油(えあぶら)。

最近では健康志向・身体にやさしい食用油としてスーパーなどでも見かけます。実際に食用のオイルでも木材に塗ることは可能だそうです。

他の成分を混合していないものであれば、基本は植物からとった油であることに変わりはありません。

食用と木工用では純度や中間処理の配慮(衛生基準など)が違うだけと考えていいそうです。

この荏胡麻、ずいぶんと古くから日本でも重宝されていたそうです。なんと縄文時代の遺跡からエゴマの種などが発見され、食用されていた可能性もあるそうです。鎌倉時代には栽培体制もとられていて、ある時期までは油と言えば「荏油」といった具合でゾッコン愛用されていたそうです。オイルの効果による防水性により油紙や傘などにも使われていたそう。

先程もちらっと触れましたが、ヘルシー志向の高まりから食用としても改めて注目されているそうで。

自分は詳しくないのであれですが・・・恐らく誰でも聞いたことはありそうな「必須脂肪酸 α-リノレン酸」が群を抜いて豊富に含まれており、、だそうですよ。分かりやすく「シソ油」という名前で売られている商品もあるそう。

 

話が逸れましたが、昔ながらの歴史ある自然素材で、身体に触れても安心。ナチュラルなオイル仕上げ、という所が大きなメリットでとても気に入りました!

荏油(エゴマ油)として、DIY&木工専用オイルもちゃんと売っています。

木工用オイルの塗り方・使い方。ちょこっとフキフキしてあげればOK

mokkou-wood-oil07

使わなくなった布きれ、ウエスなどに適量しみこませ拭き上げるように使います。実際にはオイルの種類ごとにベストな使い方があるので取扱説明書を見てみてください。

写真は分かりやすいように量が少ないですが、塗る面積に応じて十分なオイルを布にとって木材に塗り込むだけです。

荏油のオイル仕上げを実験

一般的なオイル仕上げでは、十分な量を木材に染み込ませた後、丁寧に拭き取って、ムラがないように磨くという使い方になります。

塗料ではないため厚く塗っても効果や見た目は変わりません。素材の内側に染み込むので表面にある余分なオイルはきれいに拭いてOKです。

↓ちなみにウエスは安いので一度買うと何かと使えます。ホームセンターで買っちゃったけど、1キロもなくて1200円ぐらいで高かったなー。あくまで使い捨てなので安いのが助かります。作業だけでなく引っ越し前の油汚れの大掃除の時に大量消費しましたが、紙と違ってちぎれることがないので本格的な掃除にはいいかもです。

荏油で仕上げた木片サンプル。(スミマセン、あまり分からない)

mokkou-wood-oil03

上の写真は塗る前。

手元にあった集成材に塗ってみました。左上の4分の1の部分に荏胡麻オイルを塗ってみました。

写真ではわかりにくくてすみません・・・少しだけ濃くなっています。木によってもオイルを塗ったときの仕上がりは個々にかなり違います。

 

下の写真は塗った後。(左上のうっすら濃い部分)

木工オイル仕上げ-集成材

写真にはありませんが、ウォールナットの無垢材に塗った際はかなり色が濡れ色になり全体が濃くなりました。

木材の種類や表面の状態によってもオイルの染み込み具合が違ってきます。

可能だったら320番前後のサンドペーパーをあてて、表面を慣らしてからだと、よりオイルが入りやすいと教えてもらいました。

とても大事:オイルの自然発火を避けるため、オイルが付いたウエスなどの処理を忘れずに

mokkou-wood-oil06

オイルを使用した後の片付け、後始末を忘れずに

オイルの種類や状態にもよりますが、オイルを染み込ませた布などを放置すると、空気中の酸素によりじわじわと酸化して温度が上がり、条件がそろうと発火してしまう恐れがあります。

たまにこうしたオイルが原因で火災になってしまったというニュースを見た覚えがあります。ペットボトルの水がレンズの代わりになり発火してしまった、と似たような感じ。

すごく危険なものではないし、サラダ油と同じ、普通の油です。でも安全を考えて念のため使った後の処理はしっかりとしておきましょう。念のため。

処理はカンタンです。

水に浸して、たくさんの空気に触れないようビニル袋に入れて密封。


木工用オイル・オイルステインの処理

適量の水を入れてウエスが十分水で濡れるようにします。

ウッドオイル。オイル使用後は水につけて廃棄

継続的に空気と触れないように、密封。その後は燃えるゴミ・燃えやすいものと一緒にせずに、金属製の缶などに保管しておけば安心です。

 

今回買った荏油(エゴマ油)はコレ。木工用の専用品です。近所のホームセンターにも幾つかありましたが、ネットではかなり安く、すぐに届きました!
このぐらいあれば、DIYなら相当たっぷりと使えるハズ。オイル系なので量の割にとっても伸びますよ〜

↓酸化防止容器プッシュポンプ、というのにバージョンアップしていました。なんか安くなってる・・

↓みつろうも人気ですね!今回使ったような天然素材だけのクリームです。ヒバ油とかツバキ油・亜麻仁油とか入っていて優しい香りがしそう。これじゃないけど蜜蝋は無垢の椅子の手入れに使っています〜液じゃないし量の加減もしやすいので使いやすさは断トツです。このクリームはレビューも多いですね〜

↓柿渋って知っていますか?ホントの柿渋は匂いが・・なんですが、無臭のタイプが!まだ使ったないですが気になります。染め物にも使えるのか・・ふむふむ。オイルとは根本的に違うのでコレはまた広がりがありそう。

 

ド素人でもキレイにできたオイル仕上げ。塗りムラや下処理などの心配が少なく、いつでもやり直しができるのが良いところです。荏油は乾きもはやく、さらっとした木の手触りが残っていい感じになりました。参考になれば嬉しいです~

↓木工用のオイルじゃないけど、油繋がりで「ヒバ油」って使ったことありますか?すごい良いですよーー木が好きな人なら、生活の香りが変わりますよー♪

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