道路を走っているときに見えるコレ、気になったことありますか?
鉄の橋の継ぎ目と継ぎ目のあいだに作られる、ギザギザのつなぎ目。
橋の道路にあるスキマ、橋の継ぎ目みたいな隙間は何であるの?
ほとんどの橋のある一定の間隔であるこの継ぎ目。一般的な川を越える橋、鉄道を越える橋などほとんどの橋にあります。橋を車で走っているとガタン!ガタン!となるやつです。継ぎ目が来るごとにずーっとガタガタするのであんまり歓迎できないヤツですが、この「継ぎ目」どんな役目なのかご存知ですか??
どの橋にも必ずあるので、、必須ということなんでしょうけど、理由を知ってなるほど!!と面白かったので紹介します。
結論から言うと、橋が伸びるから!だそうです。
伸びるの?何で?
直射日光が当たる真夏の昼、そして冬の寒い夜、この気温差で橋が伸びたり縮んだりするから、この隙間が必要。とうことらしいです。
ほとんどの橋は鉄で出来ています。見た目はアスファルトでも、中身は鉄骨ってことですね。鉄道の橋なんかはわかりやすく鉄骨むき出し、って感じが多いですね。
その鉄が伸びたり縮んだりするって?!
そう、するらしいです。
ウィキペディアを調べてみると、鉄ばっかりじゃなくてほとんどの物体が熱で伸び縮みすると書いてあります。なんとなく気持ちでは分かってましたよ、どことなくクイズ番組なんかでも見たことあるような。。でもそんな科学的な現象が、身近な橋でも起きていたとは!
って、そんなに伸びるの?
Wikipediaをみてみると、、
鉄・鋼 の線膨張率= 12.1 [10の-6乗]
Wikipediaより
伸び縮みのことをなにやら難しい言葉で書いてあります。
この「線膨張係数」が伸び縮みする度合いらしい。
温度の上昇に対応して長さが変化する割合を線膨張率(線膨張係数)と言う。
l = l0 (1 + α t )
Wikipediaより
うへーー。なんか数字と記号と難しい単語でちょっと目が遠くなりますが、この数字が大きいほどに、めっちゃ伸びたり、縮んだりするということらしい。正確に言うと温度ごとに膨張する度合いも少しずつ変化するみたいですが、普通の金属ではあんまり違いがないため、気にしなくても、、とのことです。
これをさっきの式にあてはめてみると、
l = l0 (1 + α t )
長さ = もとの長さ ( 1 + 膨張する度合い × 温度 )
実際に数字を入れると
長さ = 1メートル ( 1 + (12.1 10の-6乗) × 1 )
= 0.0000131 メートル
ミリ単位にすると
= 0.0131 mm[ミリメートル]
鉄1メートルの棒を、1度だけ温度を上げると、これだけ伸びるらしい。
ふむふむ。
まあそうだよな。何センチも伸びてたら世の中タイヘンな事になってるよな。
けれどなんかミリすぎて実感がわかないですね。1ミリぐらいならイメージが湧くけれどそれ以下だと、目で見ても違いが分からないです。
実際にどのくらい?
じゃあ実際に橋の長さぐらいだと、どのくらい伸びちゃうのか。
たとえば1個の橋のブロックが20メートルだとすると、
20メートルの橋 1度温度があがると
0.262 mm[ミリメートル]
なんか実感湧いてきた。。
だけどまだコレ、温度が1度だけ変化したとき。仮に朝からお昼ごろまでに10度気温があがったとすると×10で
20メートルの橋 10度温度があがると
2.62 mm[ミリメートル]
なんか橋の継ぎ目、ギザギザの意味が分かってきたような気がする。。たしかに伸びてるわこれ。
じゃあ実際の橋はどんな感じになるのか??暑かったり寒かったり、大型トラックがガンガン通ったり。現実はもっと厳しいはず。
1981~2010年の平均値がありました。東京の最低気温は1月の0.9度、最高気温は8月の30.8度。
その差は約30度。けっこうありますね・・・・。
そうすると、さっきの値かける3倍で
20メートルの鉄の橋 30度気温があがるとこれだけ伸びる
7.86 mm[ミリメートル]
おお、1センチに迫る勢い。
もし、もっと長い橋だったりするとさらに伸びるはず。
橋のギザギザ、役に立ってんだなぁ。実際に毎日毎日、朝と晩で確実に伸び縮みしているということ。あまり感覚が湧きませんが、普段気にしない小さな現象でも、大きなスケールでみると大きなチカラとなって働いてるんですね。
おまけ。すんごい長い橋をつくったら、、
仮にですが・・・
長い橋を一本まるごと、繋げて作っちゃったらどうなるんでしょうか??
設計さんがうっかりで、いろいろ間違えちゃって、実際は仕組み的にもムリだと思いますが偶然完成しちゃった例として妄想してみます。
せっかくなので日本で一番長い橋って知ってますか??
自分は知りませんでした、瀬戸大橋だと勝手に思ってました(笑)
日本一長い橋
アクアブリッジ(東京湾アクアラインの橋のトコ) 4384m
がもし一本まるっと繋がった橋だったら。
温度が1度あがるごとにこんだけ伸びちゃう。
57.4304 mm[ミリメートル]
約 5.7 cm [センチメートル]
もしも30度気温があがったとすると、
1722.912 mm[ミリメートル]
約 1.72 m [メートル]伸びちゃう
すごい!!!こんなに伸びるのか。。
もはやふつうにジャンプして飛び越えられる隙間じゃない。。
極端な想定でしたが、ここまでいかなくても橋は毎日伸び縮みしているんですね。仮に全部繋がった状態で30度温度が上がった計算でしたが、アクアラインも全体としては1.7メートル前後の隙間をつくって各部分を作ってあるということですね。あの「橋のギザギザ隙間」の合計が1.7メートル、4.3キロの区間のなかに細々とそれぞれの橋の間に作られているんですね。。
橋すごい!鉄伸びるんだ!なんかすごい。。そしてこんな細かなことまで計算して大きなモノを作っちゃう建築技術、、深い深いぞ!!そんな発見でした。
余談ですが、写真の橋はたまたま通りかかった橋です。鋭い人は気付いたかと思いますが、例の橋の継ぎ目のギザギザ隙間が奥と手前で違います。手前と奥であんなに違うけど大丈夫なの?気温は同じはずだから、作るときにズレちゃったの?違う長さスパンで別々に作ったの??ちょっと気になりました。