静岡にこんな場所があるんだ・・・衝撃を受けました。
まるでジブリのジオラマ。「大鈩不動尊」を覗いてみませんか?
大鈩不動尊(おおだたら ふどうそん)とよみます。
名前も少し読みにくく、地元静岡でも思いのほか知名度や露出度がすくないこの場所。
市街地からはほんの20~30分程度。
静岡市と藤枝をつなぐ国道バイパス沿い、丸子宿(まりこ)の奥にひっそりと佇みます。
知る人ぞ知る??パワースポットということで気になっていました。
不動明王が祀られる、「お不動さん」であり、神仏習合の「愛宕権現」も。
ここは読み飛ばしても構いませんが、予備知識として。
この小さなお堂には仏教の中でも密教で信仰される「不動明王」が祀られています。よく「お不動さん」と呼ばれる場所がそうですね。
「無動明王、無動尊、不動尊」とも呼ばれるそうで、天台宗では御本尊として祀られることもあるそう。
このお不動さんは滝と由縁が深く、水や川、滝などに関わる場所にあるケースが多いそうです。
そして、丸子城で武田信玄の守り本尊とされていたという「愛宕山大権」も祀られています。
こちらは愛宕山大権(あたごやまごんげん)と読むそうで、ざっくりいうと山岳信仰と仏教が融合した「神仏習合」の神様であり、、同時に「お地蔵様」をシンボルとしています。
神様と仏様がハイブリットで存在する日本ならではの宗教観ですね。
静岡市駿河区、丸子エリア。大鈩不動尊へのアクセス
分かりにくい入り口は大鈩(おおだたら)エリアの入り口にある「誓願寺」を目指すとカーナビなどでも行きやすいかもしれません。
車で行く際には、国一バイパス沿いにある「二軒屋」信号から入ります。
静岡の観光地としては比較的知られる、駿府匠宿などがあるエリアです。
バイパスから信号を曲がるとこんな風景の中、山奥まで進みます。
左手の小川の向こう側に誓願寺を見つつ、さらに進む
こんな風景をさらに奥へ
だんだんと民家が少なく、茶畑が増えてくる
大きな看板がたつ「世界一のたい焼き」のお店を過ぎて、さらに奥へ。
大鈩不動尊(おおだたらふどうそん)の駐車場に到着!
大鈩不動尊の駐車場です。
7~8台駐車できるスペースがあります。
滞在していた数時間の間にも何台か車がとまり、想像以上に人気がありました!
時間帯によっては駐車場に困ってしまうケースもあるかも。少し早めに行動すると間違いないかもしれません。
大鈩不動尊 駐車場の心得ナリ(笑)
とのことです。
「駐車場は自由に整然と駐車してください」
一休さんか!!
深い・・・・(笑)
駐車場の隣にはトイレも完備。比較的新しく、とてもキレイで清潔でした!
この奥へ、すこし下り坂になっている右側の小道を歩いてすぐ。
湿気を感じる、しっとりと冷たい涼風が顔をなでて抜けていきます。
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大鈩不動尊、パワースポットと呼ばれるその理由は・・・
滝から流れてくる清流が賑やか。
水のせせらぎの音が、だんだんと大きくなってくる。
視界がひらけると・・・
ドーンと現れる、異世界(笑)
岩と草木、苔むす緑の中に所狭しとチラつく赤い色。
お地蔵さんが、、、ところ狭しとズラリと並びます。
愛宕権現のシンボルが「お地蔵さま」だからですね!!
パノラマでどうぞ(*_*)
たしかにパワースポットと言われる理由も分かるような気がします・・・。
地形と場所がつくりだす、独特のオーラ。
小さいながらも幾重の滝がつらなる清流と、岩壁にぐるりと囲まれた「小さな空間」となっています。
こだまする、せせらぎの音。
水の流れが運ぶ「ひやり」とした空気感。
やはり、どこか特別なオーラが漂います。
木々の間からこぼれる陽の光が、まぶしい。
苔に覆われて、じっとりと濡れた足元。
太陽の光とのコントラストが激しくて、、
陰影鮮やかに、影の部分はより・・・じっとりと暗く見えます(笑)
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とにかく賑やかなお地蔵様と石仏がおりなす、第三世界。
いろんなところにお地蔵様・石仏、その他もろもろが置かれています。
ただでさえパワースポット的な雰囲気を持つ自然の中に、さらに力強い「インパクト」をそえる人工物。
どうしてこうなっちゃったのか、最初からなのか?
だんだんと増えていったのか?気になるトコロ。
滝を囲むようにズラリとならぶお地蔵様。
屋根がついたメインの場所。数十センチ感覚でお賽銭箱もひしりと並ぶ。
大小様々に過密するお地蔵様の数に対しては、これでも足りないぐらいかと思う・・(笑)
焼香台が所々にあり、真新しいお線香も目立った。
滝上にも、岩の間にも。上から下から、、、死角なし。
どこを見ても、お地蔵さん(笑)
けして広くない滝を囲んだ小さな空間に、一体何体のお地蔵様・石仏があるんだろう・・・(*_*)
歩道脇の何気ない木の根元ですが、目を凝らすと・・・
ちょっtgじあk!! (=o=;)
多い!!!
この写真の中だけでも、実はまだあるかも・・・。
パワースポットのイメージと言えば
「神妙な空気感。どこか厳かで、静かな時間が流れる場所」
そんな一般的な「パワースポット」の概念を打ち破る、どこかギラギラしたオーラを醸し出す異空間。
個々の強烈なパワーが、、、まさにカオスな雰囲気に(笑)
自然の緑の中に、赤い前掛けがくっきりと目立ちますね。
でも・・・。
木の根元あたりに目を凝らしてみると・・・・
!!!
もう!!ちょっと怖いよ!!(`;ω;´)
横の顔だけとか、、、どういう意味なの?!
ソレ置く意味あるの?!
とツッコミたくなるいろんな要素。
ちょっと寄り道。仏教的なお地蔵さんトリビア
とにかく沢山のお地蔵さんがいるのは、愛宕権現(あたごごんげん)という神様のシンボル(※本地仏=ほんじぶつ=神様の正体の仏様)だからです。
神であり、仏さま。という神仏が合わさった日本独特のややこしさですね(笑)
余談となりますが、この「お地蔵さん」についてこんなこと、ご存知ですか?
↓↓↓
語弊もありますが、超ざっくりに表現すると・・・
お地蔵さんは、、「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」の略称です。
お地蔵さんは、オフィシャルな偉い仏になれる立場や徳がありました。
けれども・・・あえて
「いや、ワシはこの世の苦しみを見て回って慈悲を示そう」
と「仏」にならなかった「仏さま」というストーリーがあります。
つまり現代のシャバ風に言えば・・・
有名大学の政経学部を主席で出て、偉い親戚のツテで一流企業の出世コースに乗れるところを・・・・
「いや、違う。それじゃあ本当の世の中は分からない。世の中の多くは苦痛にあふれておる。世にあふれるビンボー派遣やブラックバイト、残業地獄SEの辛さを見て回ろうじゃないか。よし、ワシは永遠のフリーターになるとしよう。」
これはもう、男気ですね!!!
そうした一番弱い立場にいる人々への慈悲深さ。
それがお地蔵様がどの地においても、民衆から広く信仰された理由だといわれています。
六道(ろくどう)と呼ばれる仏教の世界において、天界(一番いいトコ)から地獄まで、すべてに慈悲を与えてくれる、とにかくオールマイティーに優しい仏さまと言われています。
なので、死者を見送るお墓、お寺、山や川、町中など、とにかくいろんな場所で見かけることが多いんですね。
お墓やお寺などに、お地蔵さんが複数、なぜか6体並んでいるのを見たことありませんか?6体あるのは、この六道に合わせた数字です。六道のそれぞれの世界で救ってくれるお地蔵様を表現しているそうですよ。
こんなプチ知識を知ってなんか、お地蔵さんを見る目が変わりました・・・
なるほどね~(-_-)
まるで(ジブリとかに出てきそうな)ジオラマのような、岩壁に囲まれた滝
ここ大鈩不動尊は、その中心の滝を囲むような小さな空間となっています。
小さなコンサートホールのような効果もあるのか、反響して水のせせらぎがより一層響くような気がします。
そしてジオラマ版の険しい渓谷のような地形からは、清々とした風が吹き抜けてゆく。
ふと上を見あげると、生い茂る木々が圧迫するように滝を囲みます。
ごくごく小さな滝ですが、それゆえにジオラマのように見えます。
場所としては、普通に歩けば1分くらいで一周できてしまいそうな面積。
そこに、畳み掛けるようにお地蔵さんや石仏が密集します。
落石注意の看板もある、見上げるような岩壁。
そしてやっぱり石仏が飾られている・・・
宗教とかアートとかの垣根をこえて、興味をそそる「神仏」の表情。
コンビニの店長に似てる・・・。
風化しつつある岩肌にからみつく木々と植物。年月の経過を想像させる、苔むしてゆく人工物。
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地元に愛される、隠れた人気スポット?
あまり静岡の観光地情報でも大々的に出てこない大鈩不動尊ですが、それでも足を運ぶ人は後を絶たない、隠れた人気スポットみたい。
帰り際には県外ナンバーの車もあり、半分ぐらい駐車場が埋まっていました。にしても、、県外からなんでここに来ました?(笑)静岡県民の自分はガイドブックや観光マップなんかでも見たこと無かったけどなぁ~
ご利益は???
ちなみに・・・諸説はありますが、ご利益は!
愛宕権現のお地蔵様は「将軍地蔵(勝軍地蔵)」として軍神として信仰されたため、勝利祈願、火難除け、盗難除け・・・など!!
なるほど、だから武田信玄も勝利祈願したんですね
受験、試験、プロポーズから大事なプレゼンまで・・・戦国時代から続く愛宕権現の歴史にあやかって、勝利祈願してみてはいがかでしょうか♪
お賽銭箱が多いゆえ・・・お賽銭は多めに
しばし佇むんでいると、常連らしき方々が慣れた手つきで小銭をお賽銭箱に入れてゆく。
1円・5円・10円ぐらいの小銭を事前に用意して手持ちの袋に入れてきている様子。
なんせ数が多いので、お賽銭箱にトランプを配るかのように、かなり手早い手つき(笑)
手慣れた流れ作業で、無駄のないレーントレース。
一見すると、おごそか感はゼロww
大小様々なお賽銭箱?(ただの箱も?)がある。一個ずつまじめに入れていくと階段沿いに数十センチずつ、牛歩並にじりじりと進む。
見てみると場所によってはほぼ一円玉ばかりの箱もあり、やはり小銭を中心に手数で攻める作戦が多い様子。
事前に両替、一円玉を用意して来訪している方も多いのかも。お賽銭用の小銭の弾数をチェックしてから訪れるとベストかも。
焼香台が所々にあり、真新しいお線香が何箇所にも目立った。日頃から愛されている場所であるのが分かる。
滝の上には大鈩不動尊が祀られるお堂
短い階段を登りきり滝の上に立つと、小さなお堂があらわれます。
大鈩不動尊のお堂。岩肌にめりこむように建つ小さなお堂です。
そして祭祀をおこなう場所でしょうか、、
年季の入った、、、色あせつつある千羽鶴が。
滝の上から下を覗き込むことができます。吹き上がる冷たい風を感じます。
お堂の周辺を歩いてみる
滝の真上にもお地蔵様がずらりと並びます。
すこし離れて。この下が滝になります。
水の音がします。
みたことない形の・・・ナニコレ?
三角形の屋根の所がフィルターになっており、異物を濾して下のパイプに流れてゆくようです。滝のたもとから出ている水??
そしてさらに奥に、山側へ続く道があります。
薄暗くてちょっと怖い休憩所??
あまり使われていない印象でした。
その横には、、門?
「不動園」と書いてあります。
奥へ進むと川沿いに早めの桜が咲いていました。
山の桜って感じで風流です。
最後は行き止まりでした。
神仏融合の日本の世界観を縮小した、宗教&アート&カルチャーの「ジオラマ」
冒頭のように、人々の生活のなかに神道と仏教が同じように当たり前に存在していた時代。神様の姿をお地蔵様とする「愛宕権現(あたごごんげん)」や、仏様の化身として(また別の流れを汲む)密教に登場する「不動明王」が共存できてしまう、日本の自由さ。
仏であり、神であり、化身であり、その両方が祀られるこの場所。
そして後世に(多くの?)人間の手を経てこんな風に「ある意味デコってしまった」ゆえに生まれたカオスな景観。
仏と神、そして人間。
それぞれが混じり合って色濃く共鳴する、文化のジオラマのようです。
「AでありBである(かもね)」
常に正解を求められる現代じゃ、あんまり好まれないグレーな答え。
上司に仕事の報告をする際には、けしてオススメできない答え方ですよね(笑)
ところが日本の文化を遡ってみると、以外とそれでOKという、、ゆるい感じ。
現代アートのように散らばる石仏を前に、
「まじで? ど、どうなのコレ??」
という第一声を飲み込んで、
「これでいいんだよね 」( ˘ω˘)
って思える「潔さ」。
アバウトにも感じるけれど、、そんな~ある意味全てを包容してしまうおおきな世界観を感じました。
現代では、国際的に言われるところでは何かと「常識」に縛られる四角四面な印象があるジャパニーズ。
とはいえ、、、
古来の日本の意を汲めば、世界に誇れる真のサブカルチャー大国な気がしませんか?
そう、悟りを開いてしまえば、ティディベアだって。
神仏に混ざって、もうオーラさえも感じてしまう、赤ずきんベアー。
静岡の異色のパワースポット、この違和感を伝えたいww
こんな場所が静岡、駿河区にあったんだ・・・と衝撃を受ける、まさにディープインパクトなパワースポットでした!!
実際に行ってみないと、このカオス感は伝わらないと思います。
見どころはギュッと一箇所に詰まっているので、遊びに出た帰りに10分で見て回ることも出来ますよ!
アクセスはかなり良好、新東名からもスイっと行ける国1バイパス沿い。バイパス信号からも5分くらいで着いてしまう身近な隠れスポットです。
こんな場所があったんだと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
月に一回の地元イベントも
お不動さんの縁日となる毎月28日には地元の新鮮な食材・物産があつまる「丸子朝市」も開催されているそう。こちらにも是非行ってみたいなぁ~(*^^*)
ただ、、駐車場が確実に埋まってしまうので、、公共交通機関になってしまうんだよな~。